2017-04

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探索16日/ATM

TIAは実験場で消息不明となった。オリフが先行してTIAの行先を探している。
私はオリフと合流して、ティアの回収にあたること。
それが私に課せられた使命。

並列世界の一つから、創主シオンにとって都合の悪い事象がおきる前の枝状分岐点から召喚された存在。
別のもの(ANOTHER)と呼ばれる私には本当の名前がない。
どうしてこちらの世界のTIAと同じ名前を名乗ってはいけないのか。
それは世界結界のにおける制約によって、同じ名前を持つものは同一の世界に存在できないからだ。
厳密に言えば、名前が同じでも姿形が違うならば違うモノとして世界は認識してくれる。
然し私は、過去から召喚されたこの世界のTIAと本質的に同じモノ。
どちらかが消えない限りTIAとしては存在できない。

……私も言っててよく分からないが、つまりこっちに居たティアを殺さないと私は、ティアと名乗ってはいけないらしい。
世界はとてもややこしい。消えると言ってもはっきり言って実感がない。
だが、この世界に来て私は何も知らないのだ。
素直に創主の言う事を聞くしかない。世界を知るには時間が足り無すぎた。

「どうして……こんな事になったの?」

地面を這いずりながら、何処まで逃げたのか覚えていない。
降り注ぐ雨と、流れ続ける血。冷たい地面が少しずつ体温を奪っていく。
朧げな意識の中、私は沢山の白い花が咲く何処かの庭先にたどり着いていた。

「こんな雨の日にお客さんかぁ。おやー、如何したのかなお嬢さん。そんな血塗れで誰かに襲われたのぉ?」

この庭の持ち主だろうか。背の高い痩せた男がいつの間にか私の前に立っていた。
雨を気にする様子もなく長髪のその男は私に手を差し伸べた。

「襲われたんじゃない……私が弱かっただけ。」

差し伸べられた手から目を逸らし、唇をかみ締めて泥となった土を握り締める。

偽島に来てオリフに会った時、私はこの島にいるTIAを殺すといった。
オリフは何も言わずに首を横に振った。
その行為は私にとって、創主への反逆を意味した。
私は反逆者であるオリフに襲い掛かるが、圧倒的な力の前に捩じ伏せられた。

「お前はこの島に来て日が浅いんだろ……悪いけど、此処では永久に僕には勝てないんだ。」

オリフの言葉の通りだった。力を使おうとしても思い通りに使えない。
空間が鉛に包まれたように体が重くなる。私には原因が何一つ分からなかった。
唯一ついえる事は、今のままではオリフに勝てないと言う事。
必死に逃げる私に、オリフは自在に操る糸で全身を切り刻もうとした。
僅かな躊躇。
あの時オリフに僅かな隙がなければ、私は今頃肉塊と化していただろう。

圧倒的な力の差。
仮にこの男に助けられて助かったとして、私は何処に行けばいいのか。
オリフだって、この島の人だって私を見るなり拒絶した。
何の為にここに来たのだろう。答えてくれる創主はここには居ない。

―絶望。
その二文字しか今の心の中には存在しなかった。

「あれぇ。君……この島にきたばかりなのかぁ。身体の中にそんなモノを入れられて、弱い訳ないよねぇ。」

とろけるような甘ったるい声で、その男は私の顎に手を持ち上げた。
私の中にいるもの?この内から湧き上がる負の衝動の事?
この男は何か見えるの?
声に出そうとしてもかすれて声に出ない。
それほどまでに私の身体は衰弱していた。

「宿主の魂を喰らい成長するケダモノなんてよい趣味だねぇ。人間にもこんなものを創る技術があるんだぁ。」

この男は何者なのか。
いや、もうそんな事はどうでもいい。
もう目の前がぼやけてしか見えない。ここでどうせ私は死ぬんだ。

「お嬢さん、賭けをしようかぁ?このまま闇に還るか僕のゲームにつきあうの。どっちがいいー?」

視界はほぼ朧げなのに、男の声だけはしっかり聞こえる。
私は「やる。」とだけ簡潔に頷いた。

「今からお嬢さんをこの島とは違う時の流れる世界に連れてってあげるよぅ。そこで最後まで生き残れば、君の勝ち。こっちの世界に戻してあげるー。」

ダメだったら?私の疑問に応えるように男は言葉を続けた。

「途中で死んじゃっても戻してあげるけどぉ。負けの対価として…その目を貰おうかなぁ。絶望と憎しみに染められたその赤い目が宝石みたいに綺麗だからねぇ。」

私は男の言葉に頷いた。目?そんなモノで良ければいつでも呉れてやる。
このまま消え去るより、私にとって遥かに都合がいい。
ふと気が付くと、体温は相変わらずに低いままなのに、何故か体は動ける様になっている事に気付いた。
まるで夢の世界にいる様に身体の感覚は遠ざかってく。

「じゃあはじめるよぅ。そうだぁ…君の名前を聞いてなかったよねぇ。勝ったら君は何がほしいんだぃ?」

その男の差し伸べた手に掴まって、私は身を起こした。

「名前は無い……私が欲しいのは……名前。あなたは何て呼べばいい?」

「僕が君にピッタリの名前を付けてあげるよぅ。僕の名前ー?公爵って呼んでくれればいいよぉ。」

少しずつ身体が透けていくのが分かる。
私はどこかに飛ばされるのだろう。
そこで生き残れば私の望みは叶うのだ。
殺し合いは望む所だ……私は生きるために戦えばいいのだから。

「約束……忘れないでね。私は必ず還って来るから。」


次の瞬間、私は堕島に降り立っていた。


※今回は色々補足付きで。

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夢島とか堕ち島とか

Fallen Islandが行われる予定らしいですが。これってDAA仕様っぽくて、対人好きな自分には嬉しいかもしれない。

技能は殆ど決めてないけど、参加キャラは20回で人格構築するのは無理っぽいので、既存のキャラを弄って使う予定。
某温泉がもし無かったら、多分続けていただろう人格の方を。

ANOTHER TIA M-SPEC(MEMENTOMORI-SPEC)

略してATM。


( 谷)……。


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Author:佐藤深雪
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