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2018-11

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日記19日目

 祖母である魔女のオリフィエルが所持していた移送鏡は、偶然立ち寄った骨董屋のような不思議な店に大事に保管されていた。
 それは私が子供の頃に見た、姿を映さないくすんだ鏡とは違い、私の姿をはっきりと映し出していた。

「店主……さっき君は、この鏡を私の物だと言ったが、それはどういう事なんだ?」

 貴族風の井出達をした長髪の主人は、口元を少しつり上げコクリと頷いた。

「それは、その鏡が必要になる日まで、貴方のお婆様からお預かりしたものだからですよ。」

「君はオリフィエルお婆様を知っているのか。しかし、何故……いや、そんな理由は今はいい。お婆様の大切な鏡をこうして大事に保管していてくれた事にお礼を言う。ありがとう。」

「いえ、礼には及びませんよ。それより……貴方がその鏡を欲する理由を、差し支えなければ教えて頂きたいのですが?」

 店主は近くに置いてあったテーブルを指さし、私に座るように勧めた。

「そういえば、自己紹介がまだでしたね。私はテーセウスと申します。しがない贋作屋をやっております……以後お見知りおきを。」

「テーセウスか。よろしく私も名を名乗っていなかったね。私はヴォルフラム・ニフルハイム。ヴォルフラムと呼んでくれ。」

 私がテーブルに着くと、主人は何処からか沸かしてきたポットを持って、紅茶をカップに注いだ。
 カップを手に取り紅茶を一口啜ると、不思議と気持ちが落ち着いてきた。
 
 私はテーセウスの素性を知らない事に少し不安をもったが、フレースヴェルグ伯爵の妻であるアンネリーゼに想いを寄せている事をありのままに打ち明けた。

「なるほど、そう言う理由でしたか。」

 贋作屋は紅茶の香りを楽しんでいるのか、紅茶のカップを手に持って軽く回しながら私の話に頷いた。

「しかし彼女と何処へ逃げたとしても、フロストロード達から逃れる事はできない。だが、鏡の向こうの世界ならば別だ。彼らの魔法もそこまでは届かないだろう。」

「なかなか面白い考えですね。しかし、その計画には一つ大きな問題があります。」

 テーセウスはカップをテーブルに置くと、私の前で人差し指を立てて、こう言った。

「ヴォルフラム様はご存じ無いようですから、申し上げますが……この移送鏡は一人用なんですよ。」


「え!?」
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