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2018-12

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精霊日記16日目

 深雪は年が明けてから、サクラ達と初詣に行く約束をしていた。
 初詣の為に髪の毛をセットして貰うため、プロのスタイリストの仕事をしているミリオンベルのもとを訪ねた。
 髪の毛のセットの際、深雪がKT2というアイドルユニットの一人、ともえさんに憧れているという話になった。
 ミリオンベルは、彼女と同じツインテールに挑戦してみたらどうかと深雪に提案した。
 深雪にとってKT2のともえは憧れではあったが、同時に崇拝に近い存在だった。
 憧れの人と同じ髪型は恐れ多いと、あまり乗り気ではなかった深雪だったが、うさぎの髪型になれるよと
 ミリオンベルが勧めると即座に承認した。
 うさぎが好きな深雪に合わせて、ミリオンベルがラビットスタイルのツインテールに髪をセットをすると、鏡を見た彼女はうさぎだうさぎだと目を輝かせて喜んでいた。
 ミリオンベルにお礼を告げて、フォルテと共に初詣の集合場所に向かった深雪は、着物姿で待つサクラや袴姿のレイヤ達と合流した。

「明けましておめでとう。ウルド、髪形変えたの?元気な感じでかわいい。」 
「おめでとー、サクラ!サクラの髪型も晴れ着も、すげー綺麗だよ。大和撫子みたい!」
「ありがとう。大和撫子はちょっとほめ過ぎかも?ウルドも内掛けみたいな羽織物が綺麗だよ……あれ、着物は持ってなかったんだっけ?」

 サクラが首を傾げると、ウルドはばつが悪そうに目を逸らした。

「あ、うん。クリスマスの準備とかで結構お金使っちゃって……羽織物だけでも、お正月気分でいいかなって。」
「小熊さんと一緒にやってたMMOでも、結構課金してたよね。」

 黒いうさぎの耳をピコピコとさせながらフォルテがツッコミを入れていると、いつの間にか周囲の人達がフォルテのもとに集まってきた。

「ママー、うさぎさんの女の子がいるよー」
「なんだこの黒いの、動くぞっ!?」
「うさみみ萌え~♪」

 見る見るうちに沢山の人に囲まれたフォルテは、両手を振って深雪に助けを求めた。

「ウルド、この人達何とかしてよー!」
「えっ、うさみみに反応してるのこれ。フォルテ、悪いけど先に帰って。」

 深雪の命令に不満そうにフォルテは口をへの字に曲げると、脱兎のごとく神社から逃げ出した。
 彼女を追いかけるように、フォルテの周りに集まってきた連中も散らばって行った。

「危なかった……なんだか知らないけど、ここの人達はうさぎの耳に反応するみたい。ツインテにしてるから、私も注目されちゃうかな。」
「うさぎの耳に反応するのは深雪も同じだろ。あと、ツインテは別にうさぎの耳じゃねーし。」

 深雪の分析にユカラはツッコミを入れながら、隣に居るマグノリアのうさぎ耳の帽子を深く被せ直した。

「ここでは、うさぎ耳を見せると注目されてしまうのでしょうか。なるべく出さないように収納しておきますね。」

 マグノリアが心配そうに周囲の表情を伺うと、深雪の目が途端に輝き始めた。

「えっ。マグノリアちゃんって、うさぎの耳が生えてるの!?見せて!見せて!」

 マグノリアに迫ろうとする深雪は、セツカに首根っこを捕まれて引き止められた。

「こら、深雪が率先して騒いでどうすんだ。兵庫さんと道産子さんが待ちくたびれてるだろ。いい加減お参りに行くぞ。」

 呆れ顔のレイヤと苦笑しているサクラも、セツカ達に続いて神社の境内へと歩き始めた。
 兵庫と道産子も、イチャイチャっぽくしながら後について来た。
 
 境内に近づくとお参りの人も増えはじめ、深雪達も互いの姿を確認して進むのが目一杯だった。
 人ごみに慣れないマグノリアが隣の人にぶつかった拍子、被っていた帽子が外れて人ごみの中に飲み込まれそうになった。
 隣に居たユカラは素早く人ごみをすり抜けると、帽子を拾ってマグノリアの元に戻ってきた。
 帽子を受け取ったマグノリアは、とても嬉しそうに白いうさぎの耳をゆらしながらユカラに微笑んだ。

「ありがとうございます。この帽子は山本様から頂いたものなので、大切なものでした。」
「あっ、マグノリアちゃんのうさ耳かわいい!じゃなかった!?生えてるよ、早く逃げてっ!」
 
 深雪が叫んだせいで注目を集めてしまったマグノリアは、あっという間に周りの人に囲まれ始めた。

「えっ、あのっ、どこに逃げたらいいんでしょう……」
 
 深雪とユカラはマグノリアを庇うように周囲を遮ったが、それでも身動きが取れなくなっていた。
 
「深雪のアホ。マグノリアはこっちに来たばかりなんだから、よけい迷子になっちゃうだろ。」
「えっ、そうなの!?そんなの初めて聞いたんだけど!?」
 
 ユカラが深雪の額を小突いているのを、耳を引っ込めたマグノリアがどうしていいのか分からずオロオロと心配そうに見た。
 
「とりあえず、一旦人ごみから出て仕切りなおそう。これじゃ、参拝所に何時になっても辿り着かないぞ。」

 セツカが三人を庇うようにして周囲を掻き分けて進むと、いつの間にかサクラやレイヤとも離れ離れになっていた。
 兵庫と道産子も、いつの間にか姿が居なくなっていた。

「あれ、サクラとレイヤ先生が居ない……二人ともはぐれたのかな。」
「はぐれたのは僕らの方だろ。兄上達なら先に参拝を済ませて待っててくれるよ。」

 心配そうに周囲を見回す深雪を無視して、ユカラは境内の方へマグノリアの手をとって歩き出した。

「ごめんなさい、今度は耳が出ないように気をつけます。」

 マグノリアは手を引かれながら、深雪とセツカとユカラに順々に頭を下げた。
 
「ううん、マグノリアちゃんは初めてこっちに来たんだから、いろいろ驚いちゃうよね。あっ、そうだ!いい事思いついた!」

 深雪は拍手を打つと、空いているほうのマグノリアの手を握って先頭を歩きだした。

「これなら絶対はぐれないでしょ、三人一緒だし。」
「勝手にマグノリアの手を握んなよ、嫌がってるだろ。」
「あっ、大丈夫です……深雪さま、よろしくお願いします。」

 三人がぞろぞろと参拝所のほうへ進んでいくので、セツカも追いかける形になりユカラの手を掴んで後を追った。

「なんだか小学生の遠足の引率みたいだな……でも、はぐれるよりはマシか。」

 無事に参拝を済ませた四人が神社の入り口で待っていると、サクラとレイヤも無事に参拝を済ませて帰ってきた。
 
「そういえば、何かまだ忘れてる気がするんだけど……ま、いっか。」
「ウルド、良くないよ。まだ、カムイさんと灘さんが戻ってきてないよ。」

 深雪が帰ろうとするのを、サクラが慌てて呼び止めた。

「あいつらはいい大人なんだから、迷子になったりしないだろう。とっくに参拝済ませて先に帰ったのかもな。」
「そうですね、兵庫さんと道産子さんなら心配ないですよ。俺達も帰りましょう。」

 レイヤの言葉に頷くセツカ。
 一足早く手を繋いで帰るマグノリアとユカラを、レイヤは見守るように見つめながら歩き始めた。
 深雪とサクラは、帰りにおみくじを引こうと話しながら、先ゆくユカラとマグノリアを追いかけて行くのだった。
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